核兵器を廃絶する方法 ①

政治

核兵器を廃絶する方法を思い付いたので、ここに書いておきます。「良かったですね。これで世界の滅亡は避けられました」と書いて、本気にする人はいないと思うので、遠慮なく、出来るだけ具体的に書いていきます。しかし、もちろんですが核兵器を廃絶する方法を思い付き、その方法が実現できたとしても核兵器が全廃できるかは知りません。そもそも、核兵器を全廃するべきなのかどうかも、実際のところは僕には良く分かりません。まあ、そんな考え方をする人も居るんだなぁくらいに思って読んでみてください。

現在の核廃絶運動

核兵器を廃絶する努力は、今も活発に行われています。ノーベル平和賞を受賞したICANなどの努力により、核兵器禁止条約(TPNW)が発効されています。日本の団体も尽力され、こちらも後にノーベル平和賞を受賞しました。それらの努力が、実を結んでもらいたいと切に願います。

そして、彼らがしているようにするしかないのでしょうが、現実を見てみるにその方法ではなかなか難しいのではないのかと思わざるを得ないのです。彼らの努力の結晶とでもいうべき、核兵器禁止条約を見る限り、余り意味があるようには思えません。理由は、その条約に加盟した批准国に、核保有国が含まれないのはもちろん、大国と言われる国すら含まれていないことです。批准国の多くが、名前を聞いたこともないような小国で、核兵器を持っていないし、これから先も持つ可能性はありません。世界の軍事バランスに塵ほどの影響しか与えられない国々なのです。

つまり、彼らにとって核兵器禁止条約を批准しても、未来永劫核兵器を持たないそれらの国からすれば、現状維持でしか有りません。ないしは、核兵器を持つこと放棄し、世界平和に対する意識の強い国という、国家ブランドを手にすることができるのです。これは、「食事制限なしで、美しくダイエットができますよ」みたいな話なのです。それもタダで。それはやらなきゃ損だろうって話です。

あと、もう一つ気になるのは、核兵器=悪という前提を崩さないということです。確かに、日本ではそう教育されてきたし、核兵器が世界平和に貢献している側面を想像することも難しいだろうと思います。しかし、僕個人的意見としては、核兵器が使われていない以上、核兵器は平和的影響しかもたらしていないのではないかと思うのです。

核兵器という抑止力

例えば、直近の出来事としてインドとパキスタンの間で大規模な戦闘がありました。両国ともが核兵器を所持していることで、あわや核戦争かと危惧されましたが、そのまま収束しています。同じインドですが、中国との国境でもしばしば戦闘が発生しています。しかし、その戦闘では火器が使われることはなく、釘を打った棍棒での殴り合いが行われます。

そこまでして戦闘を避ける理由は、戦闘が大規模になり、収拾がつかず戦争に発展するのを避けているからなのです。そして、万が一戦争に発展した場合、もたらされる最終的な結果が核戦争だからです。核戦争になれば、その被害は甚大であり、両者がそれを避けざるを得ないのです。事実、歴史上核保有国同士が戦争をしたことはありません。

それでは、最近起こった戦争であるロシアとウクライナの場合はどうでしょうか。ロシアは臆することなくウクライナに攻め込んだように見えます。そこには、国力と軍事力の巨大な差があったのはもちろんですが、ウクライナが核兵器を持っていなかったことが要因だと考えられます。もし核兵器をウクライナが持っていたのなら、ロシアが攻め込むことはなかったでしょう。一発の核ミサイルの爆発で国家の機能は麻痺し、その後の核攻撃の往復により勝敗は愚か、国家自体がなくなってしまいます。つまり、核の抑止力が働いているからこそ、ウクライナから攻撃することはなく、ロシアは攻撃を仕掛けたのです。

数日で終わると思われていた戦争は、大方の予想を裏切り長期化し、ロシアは窮地に立たされていきます。しかし、ロシアは核保有国です。二、三発核ミサイルを撃ち込めば、その瞬間にウクライナを降伏させることができます。それなのに、ロシアは有り余る核兵器をウクライナに対して、今のところ使ってはいません。ここにも、核兵器の特殊性が現れています。実際のところ核兵器は使えない兵器なのです。核兵器を使用したことによって、例え相手を打ちのめせたとしても、使用した国はその後数十年に渡って国際社会から排除され、汚名は歴史に刻まれます。これも、ある意味核の抑止力と言っても良いのかも知れません。

核兵器はその強力な破壊力が故に、使われることがないという性質を、先得的に持っているといえると思います。現在のところ、核兵器はあくまでも抑止兵器であり、使用されない以上は存在しているだけで戦争を回避し、平和を維持する機能しかないとも言えるのです。

それが、僕の核兵器が必要なのではないかと考える理由です。次の章、『核兵器を廃絶する方法 ②』では核兵器をなくすことが最善であるという短絡的な考えを捨てて、かつ核兵器の存在を利用して、その核兵器を廃絶する方法を考えていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました