核兵器を廃絶する方法 ②

政治

ここまでが前置きで、ここからが本題になります。前置き長くて申し訳ない。前置きではありますが、いちおう『核兵器を廃絶する方法 ①』も読んでおいて頂けると感謝です。

核兵器を廃絶するための三つの条件

それでは、どうすれば核兵器を廃絶することができるのかということなのですが、核の抑止力を積極的に利用することになります。核兵器を忌み嫌うのではなく、積極的に利用しようという発想です。

先ず核兵器を所持、利用できる条件を三つに分けます。そして、一つの国家、あるいは団体は、この三の条件の内一つを行使することになります。一つ以上は、それぞれの条件が、それぞれの条件を否定するために行使することはできません。

先ず一つ目の条件は、『核兵器による先制攻撃能力』です。そして、二つ目は、『核兵器による反撃権』。三つ目は、『核兵器による反撃義務』となります。核兵器だらけで、これでどうやって核兵器を廃絶できるのかとお思いでしょうがもう少しだけお待ち下さい。それぞれが何を指し示しているのかを以下に説明していきます。

核兵器による先制攻撃能力

核兵器による先制攻撃能力』とは、文字通り国家が核兵器によって、他国を先制攻撃する能力であり、それを所持することを認めるということです。ここで核兵器を所持する主体を国家と言っているのは便宜上です。現在は国家以外が核兵器を持つことはできず、それはこれからも変わらないだろうからです。すなわち現在の核保有国のことを指します。さらにそれらの国家は先制攻撃能力を持つことを許されてはいますが、使用を許可されているわけではありません。

核兵器による反撃権

それでは『核兵器による反撃権』とはなんでしょう。それは『核兵器による先制攻撃能力』を持つ国家から核攻撃を受けた国が、核兵器によって反撃、つまり報復をする権利を持つということです。そして、権利ですから、先制攻撃能力とは違い権利を行使することも認められます。それは、単なる自衛権の一種です。この権利は攻撃を受けた国すべての国に与えられます。ここで留意すべきは、核兵器を持っていない国家に対しても、この『核兵器による反撃権』は与えられるということです。それでは、核兵器を持っていない国がどうやって核兵器によって報復攻撃を実施し、核兵器による反撃権を行使するのでしょか。ここが『核兵器による反撃義務』へと繋がっていきます。

核兵器による反撃義務

その『核兵器による反撃義務』ですが、これは国家に属するものではありません。特定の組織、もしくはシステムがその義務を負うことになります。もちろんこれらのすべての条件は、特定の条約によって施行します。そして、その条約の下に設立された国際機関ないしシステムが、その義務を負うのです。つまり、条約に加入する国が核攻撃を受け、攻撃を受けた国が『核兵器による反撃権』を行使したとき、必ず反撃しなければならない義務なのです。そこに容赦や猶予はあってはなりません。核攻撃がなされたと判断され、攻撃された国が反撃権を行使した瞬間、即時反撃をしなければならないのです。それは機械的で、条件反射的な行動でなければなりません。僕が国際機関とシステムを併記しているのはそのためです。こういうことは、実際のところAIが適任なのです。

ちなみに、この国際機関ないしシステムは、現在の国連とは別なものになります。何故なら、国連において支配的立場にあるのは常任理事国であり、常任理事国のすべてが核保有国だからです。国連の一機関とすることによって、核保有国の利害が持ち込まれてしまう恐れがあります。

意地の悪い皮肉

そして、ここがとても重要で、実現不可能に思える部分なのですが、その国際機関が発射する核ミサイルは、その機関の所有するものではありません。先制攻撃能力を持つ国が、先制攻撃能力の所持を許されるのと引き換えに、一定量、できれば所有する核兵器の半分以上を拠出してもらうのです。当然ですが、核兵器の不拡散条約に従い、移動させることも、譲渡することもありません。単に、ミサイルの発射コードを差し出すだけです。核保有国は、先制攻撃能力を持つだけで、とんでもないリソースを支払うことになります。

それでは、核兵器による先制攻撃能力を持つ国だけが巨大な代償を払うことに不公平が発生すると思われる方もいらっしゃるでしょうが、払わせておけば良いのです。彼らが先制攻撃能力など持たなければ、誰も核の脅威に怯える必要はないのです。世界にコストを強いているのは、明らかに先制攻撃能力を持つ国の方なのです。

更に、反撃に使用される核兵器は、『核兵器による先制攻撃能力』を持つ国の兵器からランダムに選ばれ使用されます。もし、核保有国が他国に核攻撃を仕掛ければ、自国の核ミサイルが自国に向かって降り注ぐことも有り得るのです。そして、この意地の悪い皮肉は、強力な核による抑止力を発揮することになります。

次の記事の『核兵器を廃絶する方法 ③』では、もう少し具体的にその状況をシュミレートしてみます。

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