あなたは、誰かから愛されたいと思ったとこはないでしょうか。しかし、鏡と向き合い、自分には愛されるだけの資格がないと、落ち込んだことはないでしょうか。こんな顔じゃ駄目だ。こんなスタイルじゃ駄目だ。こんな学歴じゃ駄目だ。こんな性格じゃ駄目だと、自分を責めたことはないでしょうか。

そんなあなたに、今回は愛されるための資格をプレゼントします。「そんな簡単に手に入るなら、苦労はない。エステにお化粧、英会話に、パワースポット巡り。少しでも完璧になるために、こちとら自分磨きに、どれだけ時間と、お金と、労力を払ってると思っているんだ。舐めたことを言わないで!」と怒りを感じられる方もいらっしゃるとは思います。気持ちは分かります。しかし、この記事を最後まで読んでいただければ、必ず愛されるための資格を手に入れることができます。おまけに、今回の記事は短めなので更にお得です。
「そんな言葉に散々騙されてきたんだよなぁ。あの薬飲んでも、ほっぺのシミはいっこうに消えない」と考える方もいるでしょう。その気持ちも分かります。とは言え、これは比較神話学者のジョセフ・キャンベル先生からの受け売りなのです。大船に乗ったつもりで、安心して下さい。既にあなたは、その資格を目にしています。
愛される為に
愛されるために、あなたは何か努力しているでしょうか。より価値のある人間になろうと努力し、その結果得たものの価値によって愛される資格を得れるとは考えていないでしょうか。確かにそう考えるのは自然なことだと思います。
世の中を見回しても、その考えを肯定する事実ばかりに見えます。高級なブランドの服はみんなから欲しがられますし、高価なスポーツカーはみんなの羨望の眼差しを集められます。非常に高学歴な人はみんなの尊敬を集めるでしょう。

ただ、それは果たして愛なのでしょうか。もし完璧な人間が居たとします。完全に賢く、完全に美しく、完全に尊い存在。一つの欠点も存在しない人間です。そう、例えばイエス・キリストや、ブッダです。しかし、人々はイエスやブッダに対して、愛を与えているでしょうか。もちろん、信者の人々は何よりも彼らを愛してると言うでしょう。そして、彼らの前に跪き、祈りを捧げるのです。罪を許して下さいとか、浄土に連れて行って下さいとかです。彼らから何かを与えてもらおうと必死なのです。嫌な言い方をあえてするなら、彼らからその完璧さを奪おうと必死になっているのです。
多くのファンを持つスターもそうです。彼らを愛することにより、彼らのカリスマを自分のアイデンティティに組み込もうとするファンも多いのではないかと感じます。結局は、彼らから、自分にはできない生き様を奪っているのです。一時は、ファンからチヤホヤされても、結局は少なからず奪われていくのです。
それが愛されるということでしょうか。あなたの努力は、奪われるためのものだったのでしょうか。愛とは消費されるものなのでしょうか。結果から振り返ってみれば、そこにはおそらく、何らかの勘違いがあったのです。

愛されるているものの特徴
それでは愛されているものに、何か共通する特徴はあるのでしょうか。多くの人から愛されているものを、恋愛に限らず思い浮かべてみましょう。

思い浮かびましたでしょうか。犬の写真を見てもらったので、あなたは犬を思い浮かべたかも知れません。特にアップした写真の犬はのんびり寝ている、どこか間の抜けた犬です。他にも、ドラえもんであったり、ミッキーマウスであったりしたかも知れません。そして、幼い子供などです。
それらの共通する特徴は、完成された存在からすれば『どこか足りない』ということです。ドラえもんやミッキーマウスは極端に頭の大きいスタイルをしています。これは未成熟で子供のような体型です。寝ている犬も、精悍な番犬とは言い難いどこか劣った存在です。そして、彼らは総じておっちょこちょいで、冷静沈着頭脳明晰という訳にはいきません。冷静沈着頭脳明晰でも愛されるキャラクターとしては、名探偵コナンのコナン君が居ますが、彼は頭脳は大人でも見た目は子供なのです。頭脳も見た目も大人で、すべてが完璧であったとしたら、それ程までに人々から愛される存在になれたでしょうか。

顔形の整った役者を二枚目俳優などと呼びますが、これは歌舞伎の看板が由来です。一枚目の看板には主役、二枚目には美男子、三枚目にはお笑い担当の役者の名前が書かれていたのです。つまり、最も多くの観客から愛される主役は完成された顔立ちの二枚目では駄目なのです。不細工である必要はないですが、完成された顔立ちの二枚目は、観客から十分に愛されることができず、だいたいが敵役です。
やはり、どこかが少し足りないくらいがちょうど良いのです。そして、だからこそ彼らは多くの人から、多くの愛を注がれるのです。
愛は低いところに流れる
愛されるものが、どうしてそのような特徴を持つのかというと、愛がそのような特徴を持つからとしか答えようがありません。愛には、劣った部分、未完成の部分を埋めようとする特性があるようなのです。例えるなら、それは水のようなものです。水は必ず高いところから、低いところへ流れます。その逆はありません。
あなたが、周辺の中で何よりも高さを誇る山だったとすればどうでしょうか。雨として降り注いだ水は直ぐに周囲へ流れ去り、あなたに留まることはありません。あなたからすれば随分と下の方に見える凹みに溜まって愛による水溜りを作るのです。その凹みが深ければ深いほど、注がれる愛情は深さを増します。それが愛の持つ特性です。

もちろん、その特性を知っている人は多く居ます。舌っ足らずな喋り方で、男の気を引こうと、少し馬鹿な振りをする女性は多いです。しかし、見せ掛けの穴にわざわざ水を流し込む者はいませんし、水が溜まることもありません。
随分前に、コンビニのレジに並んでいたときのことです。清算をしていた母親が、「千円札が不足しているんだって。大変! 日本はどうなっちゃうんだろう?」と狼狽えながら横に居る娘に相談していました。よくレジの前に貼られている、両替はご遠慮下さいの張り紙を見て、日本の未来を心配していたのです。「お母さん、それ、この店だけの話だから」と、娘さんは慣れた感じで突っ込んでいました。娘さんの言葉で、初めて自分の勘違いに気付いたお母さんは、顔を赤らめ照れ臭そうに笑っていました。おっちょこちょいで天然な、そのお母さんのことを、僕はとても愛おしく感じたのです。
愛される資格
難しいことは書いてないので、上記の記事を良く読んでみて下さい。そして、いつものように鏡を見てみて下さい。鏡がなければ自分の心の中を見てみて下さい。

そこには、いつも通りのあなたが居るはずです。ほんの少し低めの鼻や、気に入らない形の輪郭、おっちょこちょいで不器用にしか生きれない性格。それが、あなたの愛される資格です。大切にしてあげて下さい。
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