この記事は、『台灣 × XZ-10 = モノミスごっこ』からの続きになります。先ずは、そちらの方からお読み下さい。
入鄽垂手的に人々の中へ
英雄として帰還を果たした僕と、相棒としてのXZ-10エクスカリバーとの旅はもうしばらく続きます。前の記事でも話しましたが、廃墟探索に限らず、あらゆる旅が日常を旅立ち、異世界を訪れ、様々な試練を乗り越え再び日常に戻るという神話の構造を持つのですから、わざわざ『モノミスごっこ』などと断りを入れなくても、それは鼻から『モノミスごっこ』だったのかも知れません。

廃墟を立ち去り、温泉を楽しんだ後はバスで淡水という所に向かいます。淡水は台北の北側にあり、MRTの淡水信義線を利用して、台北駅から40分で行ける風光明美な港街です。特に台湾で随一の夕焼けスポットとして有名です。

淡水では、日本よりもゆったりとした台北より、更にゆっくり時間が流れています。観光地として、地に足のつかない程良く浮ついた感じも心地良いです。

淡水は、先史時代を除けば歴史の短い台湾において、比較的長い歴史を持つ街なのです。そういう歴史が作ってくれる趣きもひとしおだし、歴史的遺産も多く残されています。
中でも素晴らしいのが、紅毛城です。紅毛城とは、スペインにより、1628年に建設されたサント・ドミンゴ城であり、その後オランダの東インド会社により再建されたアントニー要塞のことを指します。ここでは、スペイン・オランダの勢力によって支配されていた過去と、そこから支配を取り戻す過程を学ぶことができます。台湾の国神・鄭成功のことなどもサクッと学べますのでお勧めのスポットです。


様々な国から支配された経験のある淡水は、様々な様式の建物に出会うことができます。特に、夜の路地を散策していると、魔法の世界にでも迷い込んでしまったような不思議な感覚を感じました。
MRT淡水信義線沿線

淡水の後は士林夜市に寄り道。士林夜市は、MRTの淡水信義線の沿線にある台湾最大の夜市で、ここも台北観光では必ず行くことになる場所です。通りには余りにも人出が多く、少し危険を感じまた。

今回は訪問してないですが、淡水と士林夜市の間には、北投温泉という温泉地があります。台北から地下鉄でいける温泉リゾートです。ホテルに宿泊しなくても、日帰り入浴のできる公衆浴場もあります。
中でも、瀧乃湯という公衆浴場素晴らしいです。泉質は、強酸性の激熱で、弱酸性なんて、正しく生温いことは言いません。お湯に浸かっていると、肌がピリピリし、5分でのぼせる強者です。名前からも推測できるように日式で入浴でき、純日本式の建物です。1923年に当時皇太子だった昭和天皇が巡行で北投温泉に来られた際に作られ、台湾でも最古の入浴施設だそうです。確かに、建物自体も素晴らしく、当時の日本の姿を思い起こさせてくれます。日本がなくした日本の姿に、台湾でもう一度出逢わせてもらったという感動がありました。
この北投温泉もMRTの淡水信義線の沿線にあります。ちなみにMRTは、地下鉄やモノレールといった台北市の公共交通機関のことで、淡水信義線はそれらの路線図の中の赤い線です。必ず何度も乗ることになります。
動物園と台湾グルメ
最終日は、台北市立動物園に行きました。びっくりするほど立派な動物園でした。

敷地が広大で、意地になって端から端まで回りましたが、ヘトヘトになります。じっくり見るなら、もちろん一日では足りないです。



動物園を見て回るのに、かなり時間を使ってしまったので、後は台北市内で食事と散策をしました。このブログでは触れていませんが、台湾旅行でグルメは外せないです。というか、多くの人にとって食べ歩きがメインになるといっても過言ではないのではないかと思えます。そんな気がなくても、そうならざるを得ないほど台湾料理は美味しいのです。
お味の傾向としては、素材を感じられる控えめな味付けで、ふくよかで優しい味わいです。中華料理であることは確かなのでしょが、日本の町中華などと比べるとまったく違う料理です。あれもこれも食べたくて、胃袋があと三つぐらい欲しかったです。最後は、街行く人々を眺めつつコーヒーを飲み、空港に向かうギリギリまで台湾との別れを惜しんだのでした。
旅の終わりは始まりへ

二泊三日の短い旅でしたが、旅を終えて振り返ってみれば、モノミスの構造に沿った、神話的円環を辿る旅でした。そして、あらゆる旅がその構造を持つのだと思います。だからこそ、旅は日常から飛び立てるのです。さらに、それが円環である以上、一つの旅の終わりは、次の始まりに繋がります。次の旅は直ぐそこにあります。

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